昨日の送別会

昨日は、今度飯塚に転勤されることになった新聞記者のIさん夫婦の送別会。
お二人と縁のある30名以上の人達が集まる暖かい会だった。

Iさんに一番お世話になったのは、取材ではなく英語のことだ。
数ヶ月前、福島にあるとある町家改修の資金捻出のため、もう閉め切り間近だったアメリカのとある財団に補助金申請書を書くことになり途方に暮れていたところ、快く手伝ってくれて何とか乗り切れたのだった。財団の発表は秋にあるそうだから、また一緒に旨い酒を飲みたいと思っている。
奥さんのSさんはもう何年も前から住んでいるのでは?と思う程すっかり福島に馴染んでいて、また白壁ギャラリー企画室メンバーとしても随分と支えてもらった。

今度赴任される飯塚は僕の母が生まれ育った町に近い。
母の実家も酒の小売店で炭住のすぐそばにあった。
そのため夕方になると角打ちに大勢の客が集まってきたそうだ。
詳しくは覚えていないのだけど、炭坑で働く男達が集まる位だから気の荒い客が多く喧嘩も絶えなかったようで、そんなときは叔父が「きさんっ!」と大声で叫びながらバットを振り回し喧嘩をする客を追い払っていたらしい。そんな叔父だが股引に腹巻きといったありがちなスタイルではなく、いつもきちっとした出で立ちでダンディな雰囲気を漂わせてはいた。しかし、眼光鋭く、緊張感漂う独特の雰囲気を発する叔父の前では子供の僕はいつも緊張していた。
一方、母はというと割合穏やかで、いつも歌を唄っていて陽気な気質。
母以外の兄弟姉妹たちは裕二郎の映画に出てきそうなちょっと都会的な洒落た感じで、明るく、時に激しい(なんて書くと叔母達に怒られてしまうかも知れないけど、あくまでも僕がそう思っているだけだ)、そして人情味に溢れる人達のような気がする。
炭坑があって色んな人が集まる中で育まれたであろう(僕の祖父も元々は城島の農家の次男坊)そんな気質の人達が僕のイメージする筑豊人。
アジアを旅するIさん達、そんな気質に意外と水が合うんじゃないかと思う。

Iさん、Sさん、ありがとう。