久田舜一郎 小鼓の会

先日の月曜日、しおやさんで「久田舜一郎・能楽の話 小鼓の調べ」の会を開催した。

久田舜一郎さんは大倉流小鼓方の人間国宝で、能楽だけでなく、他の楽器とのセッションなど前衛的な取り組みも積極的になさっている。
八女では、繁桝の蔵や明永寺でも公演されたことがある。
その久田さんのしおやさんでの会はこれで3回目。

今回は「海士(あま)」。
「海士」は、都から志度の浦へ来た藤原淡海公が大切な珠を海中の竜宮に取られてしまい、息子を淡海公の跡継ぎにすると約束を取り付けた土地の海女が海中深く潜り、獰猛な魚や鰐のいる竜宮で自分の胸を切り裂きその中に玉を入れ、自分の命と引き換えにそれを取り戻すという壮絶な話だ。

久田さんは1時間半の間、休み無く、ときに謡いながら小鼓を打ち、海士のストーリーをわかりやすく話して頂いた。
参加者の中には持参した本を見ながら熱心に聴き入る方もちらほら。
落ち着いた雰囲気の古い町家で、あかりを落とし、蝋燭の炎がゆらめく中、響き渡る小鼓の音は何ともいえず心地よいものだ。

終了後はいつものように小鼓の体験会。
小鼓の会 001

久田さんにはお会いする度に、謡いを勉強するようにと言われる。
謡いのなかには日本や中国の古典の世界が散りばめられているのだそうだ。

昔の人たちは、そうした中から教養を身につけたのだろう。

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