青春18切符

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先日は空き家清掃大作戦で空き家の清掃。
その前後は自宅の大掃除。
片付けをしていると、必ずと言っていい程懐かしいものが出てきてついつい手が止まってしまう。
この間は20歳頃に奈良に行った時の青春18切符と時刻表から書き写した帰りの電車の乗り換え時間のメモ。

鈍行列車の旅はのんびりしているようで忙しい。
乗り換えの時間がゆっくりあるときはいいのだが、2、3分で、しかも線路を跨いで向側のホームまで移動するときなどは、大急ぎで階段を登り下りし、息を切らしながら列車に駆け込む。
でも、そんなことを何度かしていると、同じように移動している人とそのうち仲良くなって、旅の道連れになるのも鈍行列車の旅の楽しみのひとつ。

そういえば、このときは奈良と飛鳥を歩いたのだった。
最初の夜は大阪で学生をしている友人の下宿に転がり込み、翌日は飛鳥の民宿に泊まるつもりが、到着が遅くなってしまったため、駅近くのペンションに宿を取った。ところが、これがかわいいペンションで、泊まっているのはカップルばかり。男一人で肩身の狭い思いをして翌朝早く逃げるように宿を出たのを思い出す。

その後泊まった民宿の居心地の良さ、そこでの陶器の湯たんぽの温かさ(生まれて初めての湯たんぽだった)、奈良のユースホステルで出会った東京からヒッチハイクできたというユニークな同世代の学生達、東大寺の二月堂のお水取り、今井町や奈良町の町並みの美しさ、断片的な情景だけが切符の向こう側にある。時間を超えて鏡を見ているような感じ。