映画のこと

先日、記録映画のことを書いた。

観ていない方には何のことかさっぱり判らないと思うが、メモのつもりで書き留めておく。

30年程前の地方(辺境と言っていいかもしれない)で、形を変えつつも長い時間受継がれて来た暮らし、祭事や婚礼などを撮ったいくつかの作品。

一緒に観た人達の感想を聞き、それらの作品全てに共通すること。
そのひとつが神の存在。一神教的な絶対神ではなく、自然そのものものに宿っている擬人的な神から人智を超えた力を持つ神。現代の暮らしの中でも僕達は何かの利益を得られるよう神社に参拝する。しかし、映像の中に出てくるのは、自分の願いを叶えるためお願いをするような姿ではなく、人の力ではどうにもならない自然そのものである沢山の神々への感謝や畏怖の様子だ。それは決して表面的なものでない。明らかに彼らの暮らしの中には神々がいる。

どうにもならないものを受け入れる。
悲壮感を漂わせるのでもなく、攻撃的になるのでもなく、受け入れているという事実にすら気づかず自然に淡々と受け入れる。支え合いながら。