昨日はワインの試飲会のため福岡へ。
色んなことが重なって忙しかったのがようやく一段落したのでほっとしたためか、先週から風邪を引いていた。週が明けても回復せず、これでは試飲会に間に合わないと思い、普段は治るまでほったらかしにしておくのだが、今回は病院に行き薬を貰ってきた。ところが喉の痛みは引いたものの結局は鼻水と咳がなかなか止まらないままに試飲会に行くことになった。
これでは鼻も利かず、満足に試飲が出来ないかも知れないと思っていたところ、会場に着く頃には鼻が通り始め、何とか試飲をやり終えることができた。酒屋根性があるのか、美味しいものへの意地なのかは分からないが、我ながら対したもんだと思ったが(そんなことなら始めから風邪など引かぬように気をつけておくべきなのだけど・・・)、今回紹介したいのは試飲のことではなくて、別室で行われた生産者によるセミナーのことだ。
来日していたのはチリ北部の生産者。
手頃な価格で品質もよく前から気になっていた造り手だったので、時間を調整してセミナーに参加してみた。
もともと北イタリアの生産者だった彼は、チリに住む親戚のところへ遊びにきたところ、その環境に惚れ込み移住したのだった。移住したチリ北部の町は、よくシルクロードの映像で山の斜面に舗装もせずに通した離合も出来ないような道路が出てくるが、そんな道路を延々と走った先にあるような立地で、それまではワインの生産など行われていなかったところだ。そこに北イタリア流のワイン作りを持ち込み、最近世界的に注目されるようになったらしい。
実際、ワインを飲むと荒削りなところもあるが、骨太で美味しいものばかり。
年間にほとんど雨の降らない土地で乾燥しているがインカ時代の用水を利用しながら上手く灌漑も行い、山から海にかけて2,000mから350mもの標高差の間に、その微気候を活かしながら葡萄を栽培していて、それも全くワイン生産が行われていなかったのだから自分で栽培法やブドウ品種の選択をしながら20年程で現在の形まで作り上げたとのこと。
比較的手の届きやすい価格帯のものばかりで、店頭にもあるので是非一度試して頂きたい。