先日紹介したとおり、昨夜は台風の近づくなか「越後奥三面-山に生かされた日々-」の上映会を開催。
八女近郊を中心に遠くは福岡や熊本から内容に興味を持って十数名の方が参加された。
上映の写真を撮っておけばよかったのだが、映画に夢中でそれどころではなく、写真は上映のために作った資料。S氏の手書きの紹介文が秀逸。
さて、今回観た作品は、新潟県北部の山奥にある集落の一年間を記録したもので、実際は4、5年かけて撮影したものらしい。
冬は雪に閉ざされてしまう厳しくも美しい自然に囲まれた環境で、田畑を耕しながら、けものを追い、山菜や木の実を収穫し、それらの恵みを与えてくれる山や川の神様に感謝を捧げながら暮らしている人達の様子が映し出されていた。僕は民俗学的な本が好きでよく手に取るのだが、現地の暮らしの中に入り込んでるからなのか、文章や写真とはまた違った、直接的に語りかけてくる映像の持つ力を感じながら映画を観た。人間が長い時間をかけて積重ねた自然の中での知恵と感謝が形になった暮らしを、身体の力を余すところ無く使いながら(スポーツ選手のそれとはちょっと違う)映像の中の人達がおくっている様子は、僕らの住む暮らしとは全くかけ離れたものだが、普遍的で尊いもののように感じた。
映画終了後に希望者が残り、ひとりずつ感想を語り合うという時間を作った。
普通の映画だと観た後はひとりでゆっくり余韻に浸りたいというのが正直な気持ちだが、民映研の作品の場合は違っていて、観た人それぞれに感じ方が違い、感想を出し合うことでお互いに新しい気づきがあり、少々気恥ずかしくはあるがとても良い時間である。
当然のことながら観る人それぞれ生きてきた背景が違うので、普遍的な価値というものの捉え方が少しずつ違っているのだが、一方で違っているのに根っこの部分ではしっかりとつながってるようで、そこがまたこの作品の奥行きの深さと広さではないかと感じる。
またいつか上映したい作品である。
参加して下さった方々には心から感謝したい。
次回は来年の1月頃に上映をするつもりだ。