内野樟脳 (1)

八女から程近い瀬高町長田。
矢部川を挟んだ筑後市船小屋と並んで炭酸泉で知られるこの集落に内野樟脳(しょうのう)がある。
以前から樟脳を作っているところがあるとは聞いていたが、八女デザイン会議の関内氏の紹介で見学させてもらうことになった。

150年ほど前から続く、日本で唯一の樟脳を作る工場(といっても夫婦でされている)だそうで、原料はクスノキ100%。しかも、残す所なく、工程中に全て使い切ってしまい、副産物も全て有用なものである。
その様子を簡単に書き留めておく。

内野樟脳 005
積上げられたクスの木。
これを次の写真にある円盤にいくつか刃のついたカッターのようなものでチップ状にする。

内野樟脳 004
結構大きなクスノキを素手で抱えて小さくなるまで切っていく作業は考えるとかなり恐ろしい。それを毎日約3時間、量にして2tするのだそうだ。

内野樟脳 007

内野樟脳 016
クスのチップを甑(こしき)に入れる。
写真左のエレクターで運び込む。

内野樟脳 017
これは甑の中で内野さんがチップを無駄なく敷き詰める際に押し込んでいく為に使う道具。酒蔵でもそうだが、長年使い込んだ道具は何ともいえない魅力を発している。(残念!ピントが合っていない!)
写真はないが、ここにあった竹箒は煙に燻されてまるで煤竹のように飴色に光っていた。

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