昨日の続き。
甑で熱せられたクスのチップから出たエキスが写真中央の管を通って手前にある水の貼ってある冷却器の中の蛇管を通って冷やされる。
そして、冷却器の横の槽(ふね:写真)へ。
これまでの工程を3日繰返し、1日置いておくと、油と白い樟脳に分離される。その樟脳を掬い取り下の写真の圧搾機で搾る。
クスを燃やした灰。ph+13程あるアルカリ性の灰は鹿児島県出水で作られる灰汁巻き(節句菓子)用に集められていた。手作りこんにゃくや染色家からも引き合いがあるとの事。
こうして小さな袋に詰めて出来上がり。
匂いは確かに強いが、クスのみで作られているので目に沁みたり、頭痛がしたりということはない。
以上のとおり、作業には機械が使われたりしているが、工程は一切伝統的な手法で驚く程シンプル。
馬場水車場もそうだが、先人の知恵にはただ驚嘆するだけだ。
この貴重な仕事を何とか次の世代に伝えられるといいのだが。