まめにブログを更新しようと思ってはいるのだが、ちょっと気を緩めるとあっという間に時間が経っている。
1日に白壁ギャラリーと当店の催事「松形恭知作陶展」が始まり、8日に終了。
その前後、実に多様な訪問者があり大いに刺激を受けたり、心安まる時間を過ごしたりした。
1日には韓国の全州から養士斎(ヤンサジェ)というゲストハウスを経営するチョンさんとその仲間総勢8名のご一行。チョンさんとは長崎の知人を介して知り合った。八女のことも気に入ってくれ、毎年のように遊びに来てくれる。
養士斎のある地域は八女福島のように古い家屋が建ち並ぶ地域で、近くには南部市場というアジア特有の雑多な雰囲気の漂う市場があったり、歴史的な建物も多く、有数の観光地になっている。数年前に訪れた時は張り巡らされた狭い路地を歩き回ったりして、路上観察好きの僕にとって退屈しないとても面白い町だったのを覚えている。
ところが、それが激変しているらしい。全州では景観保全の考え方が日本とは違い、密集した古く小さい家を解体し、大型の伝統的な木造家屋に建て替え、新しく宿泊施設や飲食店、土産物屋を作っている。日本の場合は、八女福島のような伝建地区だと基本的に保存し修景を行うが、全州では伝統的な韓屋ならどんな建物でも建てられるため、観光地であるこの地域に中央の資本が入り新築で大型の伝統家屋による再開発事業が町のあちこちで行われているのだ。僕が訪問した2年前にもその萌芽を肌で感じることが出来たが、彼らの話によるとその状況は深刻で、沢山あった小さな地元の若者達の店が家賃の値上げや家屋の解体の為に廃業や移転せざるを得ない状態とのことだった。
町の経済のことを考えるとそれが当たり前のことなのだろうけれど、結局は町の魅力を失ってしまいつつあることに彼らは心を痛めていた。
そんな真面目な話をしながら飲んだのは山梨のワイン。
とても美味しいと喜んでくれ、おかわりやらお土産やらで、彼らが泊まった川のじと店とを何度も往復する羽目に。飲んでは酔いが覚め、また飲む、といった具合ですっかり目が冴えて深夜まで話し込んでしまった。
写真は全州からのお客さん達。中央の女性が持ってるのはゴルフクラブではなくてカメラ。あれで自分を撮影するのらしい。