レンテンの財布

今日は親子学級で朝から子どもと一緒に学校へ。

西短演劇部の竹島先生のとても講演を聞き、子どもと一緒に紙と爪楊枝でコマ作りとトイレ掃除をしました。
竹島先生の話はいろんな方からお聞きしていたとおりの心打たれる内容もさることながら、芝居の台本さながらの語り口にすっかり魅了されてしまいました。

午後からはバスと電車を乗り継いで、お世話になっている福岡のあまねや工芸店さんへ。

ラオスにお住まいで、現地の絹や綿などの伝統的な手仕事を日本に紹介されている谷由起子さんのお話を聞きました。

もともとは電気もないような村で食べ物、着る物、全てのものを自給自足で昔ながらの暮らしをしていた人たちの暮らしに惹かれてラオスにお住まいになったそうです。
そんな暮らしを取り巻く環境は、ここ10年で全く様変わり。
中国国境に程近いこの地域に、グローバル化の波は容赦なく入ってきています。

経済発展している中国人の依頼で、遺伝子組み換えのトウモロコシを栽培する畑が増えたり、収益性の非常に高いゴムの木を植える地域が次々に増え、急速に豊かになってきています。
また、絹糸のもとになる蚕の品種が外国のNGOの働きで収量の多い品種に取って変わられようとしており、従来の絹糸がなくなろうとしています。
そのいずれもが、地域の人たちの暮らしを経済的に良くしようという取り組みで、現地の人々にしてみれば素晴らしいことのようです。

その一方、開墾するために密林が切り払われ、綿などの畑はより収益性の高いものに植え替えられ、全てが自給自足だった生活のなかでお金でものを買うようになりました。

谷さんはその中で失われようとしている伝統的な手仕事を、単に感傷的に守ろうとされているのではなく、それを守ることが長い目でみて住民の暮らしに経済的な大きな支えになると考えています。

以上は今日の半分も伝えられていません。
とてもシビアな現実の話でしたが、谷さんのおおらかなお人柄とラオスのあまねやさんに丁寧に紹介されている手仕事の素晴らしさに温かさを感じました。

今日はレンテン族手縫いの綿の財布を買い、あまねやさんをあとにしました。
使うのが楽しみです。

ちなみに、あまねや工芸店「第2回 ラオスH.P.Eの仕事展」は6月15日(日)まで行われています。
とても美しい黒タイ族の絹の布やレンテン族の綿で作ったバッグや風呂敷。
それらの生地を使い日本で作られた服もたくさんありました。
足を運ばれてみては、いかがでしょう。

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