中宮野町とこのみ園

このみ園 003
中宮野町の通り。
八女福島の町並みの通りは、江戸時代初期に作られた福島城の城下町がその廃城後も在方町として栄えた。
城の中堀と外堀の間に紺屋町、宮野町、京町、古松町、矢原町、外堀の東に唐人町、南に新町と広がり、今もその名称は残っている。

朝日屋のある行政区は中宮野町で古くは田んぼだったらしい。三十数年前に父が酒屋を始める前は、近所のゴミ捨て場だったと近所の古老から聞いた。
それで、その中宮野町の中心になるのがこの写真の界隈。
写真に写っているのは八女茶の老舗、このみ園
手前の白い建物とその奥の瓦葺平入の町家がそれ。
実は白い建物は新しいものではなくて江戸後期築で、後に看板建築としてつけられている。全く町家風でないのだが、妙にしっくりくるのが不思議。時間が経って味わいが出ている。(ど真ん中に写っている電柱が残念!)

このみ園 001
このみ園の二つの棟の間にある通路。この通路は江戸期部分になる。
許斐君は散らかっているからと恥ずかしそうにしていたが、ご覧のとおり等間隔に並ぶ太い梁がこの老舗の歴史を語っているのがわかる。
この奥に作業場があり、坪庭からの光で奥が明るい。こうした光と影のコントラストもまた、町家の魅力のひとつ。
作業場のある蔵もまた素晴らしいのだが、それはまた機会があれば紹介したい。

このみ園では最近茶農家と協力して紅茶の製造も行っている。
話を聞くと試行錯誤らしいが、以前飲ませて頂いたのは優しい味わいの好印象のものだった。
福島の町で今後が楽しみな店のひとつだ。

そういえば肝心のお茶の写真が無くてすみません。

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